恐怖体験(痴漢・レイプ等)で動けなくなる不動化と自律神経(ポリヴェーガル理論)

怖かっただろうなぁ。

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恐怖に遭遇したときに動けなくなる不動化は副交感神経(背側迷走神経)の働きによる生理的反応、身体の反射的反応です。命を守るために身体が選択したと言える反応で、自分の思考で選んでいるわけではありません。

欧米ではここ数年メジャーになっているらしい、ポリヴェーガル理論によって説明されています。

逃げる/戦うは交感神経の働きで、このどちらも叶わなかったときに、副交感神経の凍りつき(不動化・硬直)の反応が起きます。 動物の死んだふりと同じ神経の働きです。生理的反応であり、命を守る等利点もあります。この動画が分かりやすい。

ポリヴェーガル理論を学ぶと、レイプや痴漢などで恐怖を感じたときに動けなくなって抵抗できなかったり、声が出せなかったりするのは、身体が、命を守るために引き起こしている生理的反応であるのだということが理解できます。 思考レベルではないんですよね。

ちょっと長いけど、ポリヴェーガル理論入門より紹介させていただきます。

六〇代後半のある女性から、自身の体験を記したメールをもらいました。その女性が一〇代の頃、ある人物によって首を絞められ、レイプされたということです。何年も経った後、この方は自分の娘さんにこのことを話しました。ところが、娘さんは「お母さんは、どうして抵抗しなかったの?どうして何かしようとしなかったの?」と言ったそうです。女性は困惑し、恥じ入りました。しかし彼女は、ポリヴェーガル理論を読み、「自分は正しかったのだ」と得心したのです。そのメールには、「私は今、泣いてます」と記されていました。

 メールを読みながら、私も泣いていました。ここで大切なのは、その女性を不動状態にした身体的反応は「身を守るためだったのだ」と女性が納得したことです。女性は、これからは、そのときの自分の身体的反応を心のそこから誇らしく思うことでしょう。女性の身体反応は勇敢であり、彼女は力ない餌食ではなかったのです。

 私たちは、身体的反応は反射的であり、自分の意志でコントロールできないということを忘れています。命を奪うような驚異への反応として起こる不動は、他の哺乳類とも共通する一般的な「反射的」反応です。今の社会は、反撃したりうまく立ち回ることができなかった人々を、まるでどこか悪いところがあったかのように扱います。しかしポリヴェーガル理論に基づく社会では、その代わりに、こう言われるでしょう。「これは、そのときのあなたがとることができた、神経生物学的に最善の反応だった。あなたの身体があなたのために反応してくれて幸いだった。もし抵抗していたら、死んでいたかもしれない」。

ポリヴェーガル理論入門 P175~176より抜粋

つい最近も、中学生の頃から父親に性的虐待・レイプされていた女性が父親を訴えた裁判で、父親が無罪になったというニュースが話題になりましたね。

恐怖で身体が動けなくなる体験を経験したことがある方ならば、ポリヴェーガル理論と、自分自身の体験を重ね合わせると、ポリヴェーガル理論で説明されている生理的現象がとても納得できるものだと感じるのではないかなと思います。

人間は自分の思考が自分をコントロールしている、自分のすべてをコントロールできると思いがちだけど、実際はそうではないんですよね。

 

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